ゲーマーの憧れの人

おれはゲーマーで主にネットゲームばかりやっている。
所謂ネトゲ廃人で大学もサボっているロクデナシの一人息子。
名前はレーゼフォン…、いや、それはハンネで本名は佐川裕二(さがわゆうじ)。
罪悪感が無いわけではない。
大学まで行く金を出してもらって感謝している。
だが、それでも、もうおれに居場所はない。
唯一の居場所がここ、ゲームの中だ。
友人なんていないおれに気軽に話しかけてくれるゲーム内の人々。
あと少し、もう少しゲームの中でだけでも
積極的にコミュニケーションがとれるようになったら大学に行く。
…と繰り返し自分に言い聞かせて何年が経っただろう。
気づけば大学4年生。
逃げてはいけないと思えば思うほど苦しくて。
つけっぱなしで熱くなったモニターに触れる。
変わったことといえば、
いつからおれは男のイケメンキャラが好きになったんだろう。
前までは可愛い美少女アバターの人を追いかけ回していたのに。
日課のクエストを終わらせ、ロビーをうろうろしていると声をかけられた。
音声通話をONにしていたことを忘れていて少し驚いた。
そしてその人は最近話題になっている憧れのゲーマーだった。
「こんばんは」
「こんばんは」
震える手でチャットを打ったあと、急に不安になる。
挨拶はこれでよかったんだろうか。
他に何か言った方がいいのか。
少しの沈黙が続き、
再び耳に入ってきた言葉に思わず飛びのいてしまった。
「ねえ、ぼくのこと、好きなんでしょ?」
ああ、なんて、なんて答えたらいいのだろう。
そもそもアバターが男だからといって男であるとは限らないし。
逆は結構あることだから。
好きという言葉の意味だって表面的な意味かも知れない。
「尊敬してます
おれにも教えて欲しいくらいです」
「あはは
君にそう言ってもらえたら光栄だな」
「とんでもないです」
ほら、やっぱり、深い意味はない。
光栄だなんておれには勿体無いけど嬉しいものだ。
「レーゼフォンくんはあの噂、知っているかい?」
噂…、アダルトな噂が流れてくるのは知っていた。
変わった風俗があるらしいと。
性別を気にせず快楽だけを得られるところだと。
「知ってますけど…なぜおれに?」
「一人だと恥ずかしくてね
ぼくも君のこと尊敬してるんだ
どうせなら尊敬できる人と一緒に行きたくて
…だめかい?」
ダメじゃないです!と打ち終わってから慌てて続けた。
「同性ははもちろん異性との性経験も無くて」
「安心して
きちんと安全は補償されているらしいから」
それからトントン拍子に話が進み、当日の朝を迎えてしまった。
おれは今日、童貞を失う。
憧れの人と一緒に。
…憧れの人は性経験は済んでてもおかしくはないけど。
ソワソワしながら街頭の店まで着くと着信が鳴った。
「後から着く
君は先に入っていて」
一瞬の不安を振り切り、店内へと入る。
名前を告げると、何故か料金は先払いされていて
どんなコースかもわからないまま、部屋へと案内される。
戸惑いを隠せない中、案内の通り衣服を脱いで、
コックピットのような椅子に座った。
すると、機械音が響き頭にゴーグルとヘッドフォンが装着される。
映し出されたのはゲーム内の憧れの人で、声もそのままだった。
どうやら目の前に広がるVRと連動しているようだ。
そっと胸を触られ下へと下される。
自身に感触があり、優しく撫で手コキされて乳首を弄られた。
「んっ…、ふ…」
初めての感覚に抑えた声が漏れる。
憧れの人にされているようで感触はどこか冷たく無機質で、
機械なんだということを思い知らされる。
かと思いきや、フェラされているように暖かい液体に包まれて扱かれた。
「あっ…、ふぐっ、んぁ…、はぁっ!」
喉の奥のキュッと締まる感覚で初めてイく。
今までのオナニーとは比にならない快感で、
これがイくという感覚なんだと体に上書きする。
その流れのままローションまみれの憧れ人のお尻の穴が写り、
そこに挿れると喉とは違う締まり具合に挿れただけでイきかけた。
VRの映像に飲み込まれて忘れがちだが時々聞こえる機械音で
罪悪感や背徳感で興奮してしまう。
…どんどん変態になっている気分だ。
憧れの人の穴の中でピストン運動をするうち、
あまりの気持ちよさに自制できなくなる。
「あ~っ!はぁっ、あっ、あっ、はっ!…っはぁ!」
何度もイってしまい、
精液が機械にどくどくと搾り取られているのを感じてまたイく。
憧れの人も感じてイっているようなえっちな声で臨場感が増し、
イくのを止められなくなった。
だくだくと流れる中出しした精液と粗い呼吸を整えるため休んでいると、
今度は憧れの人のチンコを咥えさせられた。
味はゴムのようだが映像は生々しく、
本当にチンコをしゃぶっている気分になった。
「寂しそうだね?…ここがさ」
耳元で囁かれながら自身のチンコも手コキされ快感が全身を襲う。
しばらくフェラをしたあと、お尻穴を舐められ液体が注がれて
憧れの人のチンコが入ってきた。
映像であってさっきのゴムのようなものだと分かってはいたが、
こうして熱いもので擦られると分からなくなってしまう。
快楽成分の入った液体だったようで、激しい痛みも最初だけだった。
「?!おっ、あっ、んぉ!あふっ!あぁ!」
突然人が変わったように腰を強く打ち付けられ、連続絶頂が止まらない。
機械でしかできない速度で擦られて精液もまた搾り取られているようだ。
キュインキュインといった機械音さえセックスする時の音に感じる。
気を失っては快楽に身を委ねてイき続けたあと、
中に入っていたゴム製のものも抜かれて、
ゴーグルやヘッドフォンも外され、
ずっと機械に犯され続けたことが急に我にかえってしまった。
簡単にシャワーを終えて店から出ると、
スラッとしたイケメンで長身の男が立っていた。
こちらを見て人の良さそうな顔で笑い、口を開く。
「気持ちよかったでしょ?」
消え入りそうな声で「…はい」と答えると手を繋いで歩き出した。
行き先はきっとラブホテルだ。
今度はリアルで憧れの人に犯される。
おれは、楽しみだ。

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