「はぁーあ。今日も疲れたなー…」
マンションの一室から、男のぼやき声が聞こえる。
一見すれば格闘家のような肉体の勇ましい姿。
銀色の短髪が、そんな逞しい雰囲気を余計に強調する。
服装は動きやすさを重視した、シンプルなTシャツとスキニーパンツ。
鍛え抜かれた脇から腰のライン、逞しい太ももは、服を着ていてもわかるほどだ。
いかにも強靭な筋肉ボディだが、スキニーパンツを押し上げるヒップから腰にかけてのくびれは彫刻のように美しく、成熟した雄の肉感で溢れていた。
そして何よりも、鍛え上げられた胸筋がゆったりとしたTシャツを押し上げていて、二つの逞しい乳肉が注意を引く。
晴れた日の夜空ような濃い藍色の瞳に不満げな眉を被せ、男はふあぁっと大きく口を開けてあくびをした。
彼の名前は神屋達也(かみやたつや)25歳。
職業は美容師。趣味は筋トレ。
男らしいルックスと、183cmというモデル顔負けの高身長。
クールな見た目に反して笑うと可愛らしいというギャップ。
美容師としての腕も確かなので女性客からの支持が格段に厚い。
そんな彼が、あからさまな「疲れ」を全身から発散させていた。
理由はひとつ。
関わる女性客の殆どに恋愛対象として見られる事に疲弊していた。
最初は嬉しかったのだが、プライベートの電話番号を聞かれたり、プレゼントを渡されたり、デートに誘われたり…こうも続くと、贅沢な悩みとわかってはいるものの、仕事と割り切っていてもしんどくなっていた。
今日も女性客からプレゼントを貰った。
包み紙を開くと、全長15cmほどの機械が出てきた。
見た目は手のひらサイズの枯れ木のような造型だ。
木の幹を表したかのような銅色の筒型からは、枝のようなものがいくつも生えている。
木と違うのは、怪我防止なのか枝先が丸く処理されている事か。
バッケージの表紙には『AI機能であなたにピッタリの動きをする!癒やしの機械~手のひらサイズ~』と書いてある。
「何だか怪しげだな…」
なんとなく嫌な予感がしたものの、せっかく頂いたものだ。
それにプレゼントをくれた女性客が次回来店した時に感想を伝えなければならない。
意を決してスイッチを入れた。
しかし。
ウィーーン…と、静かな音を出すばかりで、機械が動いたりAI機能で話しかけてきたりする様子はない。
「…?壊れてんのか…?」
疑問に思ったものの、今日は日曜日でお客さんの数が多く、少し疲れたのだろうか。
妙に重い身体と、それに頭もぼんやりしてきた。
そうして俺は、機械の電源を切るのも億劫なほどの眠気に飲まれ、Tシャツとスキニーパンツを脱いで床に放ったまま下着姿でベッドに沈みこんだ。
せめて寝間着に着替えてシャワーだけでも浴びなくては…。
そう思っても身体が動かなくて、俺はゆっくりと瞼を落とした。
何か無機質なものが身体を這っているような、身体をまさぐられているような、そんな違和感を覚え、目を覚ます。
嫌な予感に身体が震え、違和感の正体を確認しようと身体を捻った時だった。擦れるシーツの感覚が生々しい。
驚いて自分の身体を見ると、何故か身につけていたはずの下着を纏っていなかった。
(っっ!!?…え、……っ!!?)
思わず大声を出しそうになり、咄嗟に口を塞ぐ。部屋には自分一人しか居ないが、近所迷惑になってはいけない。
状況がわからず戸惑っていると、急に下腹部がずくん、と疼いた。
ちょうどお尻の辺りでカシャン、カシャン、と何かが動いている感覚がする。気持ち悪くて手をやると、確かに「得体の知れないなにか」を感じた。
何なんだ……この感じと、機械音は……そこまで考えて、急速に頭が冷えていく。
何かが、いる。
俺の、身体の中、に。
「っんん!??」
ウィーン…という音と共に、ずるん、とまるで身体の内側が引っ張り出されるように体内で「何か」が蠢く。
下腹部が急激に熱くなり、痛い程に圧迫される。
思わず身体を仰け反らせながらそれに耐えていると、別の方面からもカシャン、という音と共に「何か」が動きを進め、服の中に侵入してくる。
無数の「何か」は機械音を鳴らしながら数を増やし、素早く距離を詰めて身体に纏わり付いてきた。
やがて身体を締め付けられ、動きを封じられた。また下腹部が熱くなる。
(なに、が、……おきて…いる、んだ………)
カシャン…、ウィーン…、という無機質な音に頭が恐怖で支配され、己の筋力で機械音のする無数の「何か」をどうにかしようという思考は吹き飛んだ。上手く頭が働かない。
そんな俺に、徐々に近付いてくるそれらを払いのける思考は最早残されていなかった。
「……っあ゛!! や、ぁ……ッんぁぁ!! ひ、ぃ…やめ゛っ……ひぁあ!!ぶぎぃお゛ぉお゛ッ♡♡♡」
下腹部に入っていた「何か」が、前立腺をかすめた。
気持ち良さで俺が抵抗出来ないのをいい事に、それは好き勝手に動き始めた。
視界が歪む中、視線を床に向けると「何か」が機械音とともに蠢いているのが分かる。
得体のしれないそれの元を辿ると、先ほど開封した全長15cmほどの機械が青白く光っていた。
木の幹を表したかのような銅色の筒型は大きさそのままに、枝部分の長さだけがとんでもなく伸びて身体中にまとわりついている。
その異様な光景に思わず悲鳴を上げながら、ベッドの上で後退りする。
そのとき、機械の枝部分に後ろと性器を同時に弄られてしまう。流石に抵抗したものの、いかんせん気持ち良すぎる。
俺の抵抗なんて、あってないようなものだったのだろう。
それらが止まる気配はなく、上半身もカシャン、と音を鳴らした機械が這いずり回る。
コリコリと乳首を甘く弄られ、身体が仰け反る。
「お゛ッ♡♡ ほ‥‥‥ひッ♡♡ へ、なン‥‥‥ッ♡」
その壮絶な快感に俺はまるで自分じゃないような声を上げた。
だめだ、だめ、……せめて最後まで抵抗しなければ。
そう思うのに、身体が言う事を聞かない。
この狂おしい程の快楽に身を委ねたい本能と、それでも何とか抗いたい細い理性が頭の中で同時に押し寄せる。
しかし機械の動きはさらに大きくなり、前立腺への刺激が止まらない。
「ッひぎっ!?♡あ、だめ!!そこ、だ……ッ♡ぁぁあ!?んぁぁっ♡……っなか、だめぇ♡♡」
俺の鍛え上げられた身体は仰向けに倒れ、そしてビクビクと絶頂痙攣するだけの肉と化す。
そこで俺の理性の糸は完全に切れてしまった。
ここまでくれば、お尻のナカはただの肉欲処理専門オス穴だ。
全身がビグンと跳ね上がり、股間からシーツにブジュジュジュッ♡♡♡と体液の飛沫が飛んだ。
「ほッ…♡ はッ…♡」と無意味な嬌声を垂れ流す。
しかし、これだけでは終わらない。
機械は再び激しく全身を舐め回すように動き出す。
「あ゛!!んひぃ♡も、むりっだめぇ♡ ぐぽぐぽしないれ♡♡あひ、ぁ、またイッちゃうからッ♡♡♡んあ゛あ゛あ゛あ゛ッッ♡♡♡♡♡」
(分からないっ!分からないけどっ♡ぁぁ゛ッもうむり♡きもちくて何にも考えられないぃぃ♡俺どうなってるのっ?♡声もっイクのも抑えらんないよぉ♡♡はわぁ♡ お尻のナカ奥ゴリゴリされるの気持ちいい♡♡♡)
緩んだ口から赤い舌をてろりと垂らし、娼婦でも見せないような悦楽顔を晒し続ける。
理性が快楽に完全に主導権を奪われたが最後、その快楽が全身の牝化を促進させていく。
「ふぎッ♡ ふぎッ♡ふひッ♡♡ひぃ‥‥‥ッ♡♡ひほッ♡ほッ♡ほあ‥‥‥ッ♡♡♡」
ここが自分の部屋で近所中に声が響いてしまうという懸念も忘れてひたすらに喘いだ。
触ったこともない場所に機械が入り込んで、下腹部を圧迫し、再び激しく犯される。
お尻に入った機械が前立腺を狙ってピストンするみたいに出たり入ったりを繰り返すから、頭がおかしくなりそうで身体を捩る。
だけど機械は逃がしてはくれず、激しくピストンを繰り返す。
乳首はコリコリ弄られ、先端をちゅこちゅこと触れられているオチンチンからは止めどなく精子が溢れていて、俺はずっと機械にイカされ続けていた。
「ふん゛‥‥‥ッンぎぃいおぉおぉおぉおお゛お゛ぉ゛ッ♡♡♡あっそこぉ♡♡もっと突いて♡♡あ゛あ゛ッそうっそれぇ♡♡ それきもちいの♡よすぎておかしくなっちゃうよぉ♡♡♡」
口元からとめどなく涎が溢れていくのも気にしていられなかった。
気持ちいい、気持ちいい♡♡♡
俺、ほんとにどうしたんだろう。
機械に激しく前立腺を突き上げられて、身体を大きく仰け反らせる。
いま、後ろに何本機械が入っているかは分からない。
だけど確実に三本以上は入っていて、俺の中を自由自在に行き来している。
指先は快感に合わせてうじうじと蠢かせることしかできない。
理性とか意見とか、そういうの全部取っ払って、快楽だけを痛いくらいに与え続けられる。
お尻は好き勝手に突かれ、オチンチンや乳首だってもう弄られ過ぎて痛いくらいなのに、止めてくれない。
「いぎぉ゛ッ♡♡もっと突いて♡♡ん゛ぁ゛っ♡またイクッッ♡♡ はぎッ♡や、やめ゛ぃッ♡イぐッ♡♡いぐイぐぃッぐうぅうぅううぅぅう゛う゛ぅ゛ッ♡♡♡♡♡」
身体が大きく震えて、激しく絶頂を繰り返す。
痛いくらいの快楽に、苦悶の顔で喘ぎ鳴き続ける。
「はぁ゛ッ♡♡くあ゛ッ♡ あ゛ッ♡か、ひあ゛ッ♡♡あ゛ッ♡ぎあ゛っ♡あ゛ーーーッ♡♡♡う゛ぉッ♡またイクッッ♡♡♡ッぁ、あ……ンあ゛ぁ゛ぁ───♡♡♡♡♡♡」
肌を伝う玉のような汗粒をシーツ一面に振り散らし、甘ったるい媚薬のような色香を広げていく。
脳に弾けた絶頂が芯を突き抜け、脳髄を焼き尽くすような絶頂が鳴り響く。
最後にくりんくりんと藍色の瞳が白目を向き、意識が無くなるまで、機械による責めは続いた。
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