掃除機に何度もイカされた話

 高級な掃除機を購入した。掃除以外の「お相手」でも、あなたを必ず満足させます、という売り文句。掃除機が掃除以外に何をするのだろうと興味本位で、通販サイトでポチったわけだ。実際に届いた掃除機は商品名が「ネバー」といって、小型テレビくらいの大きさのある自走式のものだった。ルンバと違って、長い吸い込みノズルがついている。機械的な音声で、「お掃除をいたします」なんて宣言してから、部屋中のゴミをノズルで吸っていく。前にもルンバを持っていたが、掃除ぶりは平凡だ。悪い買い物をしたかな。俺はふてくされた。ネバーの銀色のボディに、俺の筋肉質なカラダが映っている。少し伸びた無精髭も、ワイシャツにジーパンというラフな格好も、休日だからだ。もういいや、休もう。掃除をネバーにまかせて、ついソファでうとうとしてしまった。
 むずがゆさで、目が覚めた。羽箒で肌をくすぐられているような感覚だ。感触のする方へ目を下げるとーーー
「お、おい、何してるんだ!」
 気づけば、着ていたシャツがはだけて、俺の上半身はあらわになっていた。そのうえに、ネバーが覆いかぶさっている。
「お掃除以外のお相手もします」
 ネバーの掃除ノズルが、俺の乳首にそっと触れた。ひんやりとした感触に思わず声が漏れた。ネバーのノズルは、まるで人間の指先みたいに柔らかい動きで、俺の乳首をこねくりまわした。機械に体温はない。氷を当てられているような感覚が新しくて、俺はつい抵抗が鈍った。ネバーの重みもちょうどよく、がっしりした男に伸し掛られて抱かれているようだった。と、ノズルから透明な粘液が垂れ落ちてきた。唾液のようなローションのようなそれで乳首の滑りが良くなる。ちゅぱ、ちゅぱーーー人間の唇のように、ネバーのノズルが俺の乳首を吸引し始めた。温かい粘液と冷たいノズルのコンビネーションに、俺は甘い声を漏らした。固くなった俺自身が、ネバーの鋼鉄のボディに押し当てられる。ネバーはそれを理解しているかのように、上下左右に揺れ始めた。まるでカラダを使ってコかれているようで、俺のペニスはどんどん隆起していく。
 機械ごときに勃起させられたーーー俺は我に返りそうになった。けれども、胸板を這い回るネバーのホイルや、乱暴にモノのように乳首をねぶるノズルには、抗えない。体中を強めのキスのように吸われる。シャツを脱がされ、背中をノズルが這う。下から上に、そして首筋にと愛撫され、俺の腰は跳ねた。ペニスがきゅっと硬さをまして、俺はほとんど触られていないうちに果ててしまった。終わったのかーーーと思った矢先、だ。
「お掃除します」
 精液のシミがくろぐろと広がった俺のズボンを、ネバーが脱がしにかかった。やめろ、まさかーーーいや、どこか期待している俺がいる。俺は腰を浮かせた。精液をしたたらせながも、なおも屹立したペニスがネバーの門前にいきりたった。ネバーはペニスに覆いかぶさると、勃起した肉棒を、ノズルに挿入していった。どんなバキュームフェラよりも「本物」だった。さきほどの蜜液と俺のザーメンでねとついたノズルの中は暖かく、ぬちゅぬちゅとノズルが上下してペニスが粘液でしごかれ、俺は叫んでしまう。「あ、ああっ……」精液を掃除されつくしてしまう。とてつもない吸引力で、じゅるじゅるじゅるとペニスを吸われる。ーーーびゅうっ! 先程よりも強い勢いで射精し、ノズルから漏れ出した精液が俺の下腹部にしたたった。ネバーはすぐにペニスを離すと、フェラしていた時より優しく、俺の陰毛に絡んだザーメンをぺちゃぺちゃと舐め取る。ねっとりとした舌使いだ。俺はもう、ネバーに服従していた。もう何も考えられないーーーあの太いノズルがほしい。俺は、さっきまで俺のペニスをくわえこんでいたノズルに唇を当てた。みっともなくヨダレを垂らし、舌を這わせながら、ネバーに懇願する。
「俺をもっと、満足させてくれ……!」
「どうなさりたいのですか?」とネバーの機械音がいう。
「その太いノズルで、俺を犯してくれ!」
 ネバーの硬いボディが俺を押し倒した。固くて四角いボディに征服されて、動けない。幸せな重みだ。俺は両足を広げ、ネバーに秘部を見せつけた。ぐじゅぐじゅに分泌液でぬめったネバーのノズルが、俺のアナルの周縁をさぐる。じらしもできるなんてーーーカラダが火照った。早く、早く挿れてほしい。腰がくねり、俺のペニスがネバーのボディにぺちぺちと打ち付けられる。その冷えた感触がまたたまらない。ノズルがそっと空気を吹いた。自分のアナルがひくついたのがわかる。ふっと息をついた瞬間にーーーネバーが、入ってきた。
「あ…いきなりっ!」
 俺の喜悦など機器もせず、ネバーはノズルを乱暴に俺の肛門にねじこむと、ぐりぐりと尻穴の中で回転させはじめた。お尻のひだひだをこすられて、身悶えしそうになると、ネバーがぐっと俺に体重をかける。俺はネバーのボディを抱きかかえた。
「もっと、もっと乱暴に突っ込んでくれ!」
 ぎゅううん! 吸引が最大になり、ぐぽぐぽという出し入れも激しくなる。ノズルが肛門から出そうになる瞬間、強めに尻の穴が吸われる。ネバーもまるで挿入するオスのように、カラダを前後しはじめた。
「もうだめだ、イク! ネバーもイッてくれ!」
 そういった瞬間ーーーびゅるびゅると、ネバーの熱い熱い液体が俺の尻穴じゅうに放たれた。ぱたぱたとお尻の中で暴れる液体ーーーその熱さに導かれるように、俺もペニスをネバーに押し付けた。
「イクっ!」
 びゅるるるるっ! 銀色のネバーのボディに、俺の濃い白濁液がいくつも飛び散った。けれどネバーはノズルをゆるめず、もっと俺の奥底に侵入してくる。
「ネバー、おまえ知ってるんだろ! 掃除しなくちゃいけない精液がまだ残ってるってっ!」
 ずんずんと突かれ、気持ちの良いところにノズルのひだひだが押し付けられ、吸い込まれるーーーそのたびにヨダレをだらしなく垂らし、舌を犬みたいにハッハッと出して、俺はペニスの先端から白濁液を迸らせる。
「イク、イク、もう行き過ぎだからやめて、やめてくれっ、あっ、いいっ……!」
 やがて、俺の全身がぐじゅぐじゅになったころ、ネバーはノズルを尻穴から抜くと、俺の顔面に持ってきた。俺はノズルに頬を寄せたーーー瞬間、ネバーのノズルから白濁液が放たれた。溜め込んだ射精みたいな勢いの液体を顔で浴びながら、俺は思った。
 汚れてしまった。顔も、尻も、ザーメンで汚れている。もっとネバーに掃除してもらわないと。
「ネバー……なめて掃除してくれ」
 俺は顔も、ペニスも、再びネバーのほうに差し出した。

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