なんで俺が医療用触手マシンに犯されないといけないんだ!?

どうしてこんなことに。
俺はただいつものように自分の仕事、医療用触手型マシンのメンテナンスを行おうとしただけだ。
お前は真面目すぎるんだとからかうやつらもいるが、お前らが不真面目すぎるんだと言い返してやってからは何も言われなくなった。
そりゃあ20代半ばで髪は染めてなくて分厚い眼鏡かけてるけども。遊んでなさそうな真面目クンなんてからかわれる筋合いなんて全くないのだ。
俺はちゃんと真面目に働いているだけ。それがどうしてこんな事態になる?
「ちょ、離せ!おい!誰かいないのか!」
いるわけがない。誰もマシンの点検なんていう面白くもなんともない作業をやりたがらないからだ。
「俺は患者じゃ、なっ…んぅっ!」
俺の声がうるさいと言わんばかりに一本のマシンが口に押し込まれた。機械らしい冷たさに身が竦む。
このマシンは患者の口や肛門から侵入して病気を見つけることに特化している。暴れる患者を押さえつけるための機能もあるが、メンテナンスモードにしていればこの機能は使えないはずなのに…!
「んっ、んぐっ!?」
さらに口の中に入ったマシンの先端からどろりとした液体が出てきた。これも元から備わっている機能で、マシンが奥に入っていく時の痛みを緩和するローションのようなもので…って待て待て!なんでそのまま受け入れようとしているんだ俺!
こんなのは明らかに緊急事態だ。緊急停止ボタンを押せばいいだけの話。ボタンは…よし、ギリギリ手の届くところにあるな。これを押して……。
「何してんの、お前」
「っ……!!」
急にドアが開いて一人の男が現れる。俺の同期で、大嫌いなやつだ。真面目に仕事もしないくせに要領の良さでいつも俺よりも評価されている。俺を直接からかうグループではないにせよ、俺としては不真面目なだけで同じようなものだ。
もちろんこいつも滅多にマシンのメンテナンスに来ることはない。それなのになんで。
「あー…なるほど、そういうこと」
「な、にがだっ…!」
マシンが口に入ったままでうまく話せない。
それでも目の前の男には伝わったようで、こちらを舐め回すような視線が体にまとわりついた。
気色悪い。こいつは俺のことをこんな目で見るやつだったか?
「なんでみんなのやりたがらない仕事を進んでやってるのかと思ったら…毎回こういうことしてたんだ?」
「はぁ!?」
大声を出したせいでマシンの拘束がさらに強くなる。かろうじて動かせそうだった手も動かせなくなり、緊急停止ボタンを押そうにも押せない。
「コイツ使っていつも楽しんでるんだろ?」
「ち、ちがっ」
「いっつも真面目でクールな眼鏡くんは実はド淫乱だったんだなぁ」
そう言いつつ、そいつが手にしたのは床に落ちていたこのマシンのコントローラー。普段ならあのコントローラーを使って動作テストを行うのだが、今回はマシンに捕まった時に落としてしまっていたのだ。コントローラー自体は無傷のようで一瞬安堵するが。
「コイツ、男の機能を調べるモードもあるって知ってるだろ?」
「はぁ?」
そんな機能知らない。メンテナンスを完璧にするためにモード、設定、エラーコードまで覚えているが、そんな機能があるなんて知らない。
「おい、やめっ…やめてくれっ」
「お前がどうよがるか、見ててやるよ」
コントローラーがガチャガチャと音を立て、それに応えるようにマシンが動き出す。先程までは俺の動きを止めるくらいの動きしかしてなかったのに、明確な目的をもって体を弄り始めた。
「つめたっ…!おい、止めろ!止めてっ、ひっ」
ずるんと下着の中に潜り込んできたマシンの冷たさに思わず体が跳ねる。こんなものが体に入るなんて冗談じゃない。俺はマシンが好きでこの仕事に就いたが、マシンにこうされたくて就いたわけじゃない!
「っ、許さないっ…」
「ああもう。こんな時でも真面目ぶんなって。ド淫乱くん?」
ばちゃり。顔に何かをぶちまけられたような…この甘い匂い。もしかして…!
「そう。そういうモード使う時用の気持ちよくなるオクスリ。本当は薄めるんだけど、これはその原液♡」
これで痛みもなく気持ちよくなれるから。今の俺には救いでもなんでもない言葉を笑顔で突きつけられる。
それと同時にマシンが俺の中に侵入を始める。
冷たい。怖い。でも痛くない。彼の言う通りだ。
「ひっ、あ、入って…くるっ…!」
「スムーズに入ったみたいだな。やっぱ経験アリ?」
あるわけないだろ!!
そう言いたくても俺の口からは言葉でもなんでもない音がこぼれ落ちてくるだけ。
「えっと、前立腺刺激モードっと」
「っ、おまっ…やあっ、あ!そこ、だめっ、やめろぉっ!」
マシンの先端がソコを念入りに調べ上げる。確かこれはココがちゃんと機能してるかどうか調べるモードのはずだけど…!
「くっ…ふぅっ♡っ、んんっ♡」
そうだ。俺の体は正常だ。ココが気持ちいいのは何も変なことじゃない。薬のせいでもマシンのせいでもない。俺が淫乱だからでもない…!
「あーあ。気持ち良さそうな顔しちゃって。さっきまでの泣きそうな顔はなんだったんだか」
「そっ、そんなかおっ…してな、ぁっ、あ♡」
触手型のマシンがもう一本俺の中に侵入してくる。最初の一本は相変わらず俺の前立腺をごりごりと刺激しているが、もう一本は全く違う動きをし始めた。
「やらっ♡出し入れしないれっ♡それっ、せっくしゅ、せっくしゅだからぁっ♡」
「もう呂律回ってないじゃん」
ケラケラと笑う彼の目は獣のようにギラついている。そんな視線がまるで肌にちくちくと刺さって刺激されているかのように感じて身悶える。
ヤバい。消えかけている俺の冷静な部分が声を上げる。これはヤバい。なんでも気持ちよくなってしまう。このままだと何か取り返しのつかないことになるような。
俺の思考を邪魔するように、マシンが動きを激しくする。マシンの先端からローションが出ているんだろうか。部屋の中はいやらしい水音が響いていて、まるで耳も犯されているような感覚に陥る。
「ひぐっ!?♡」
奥の方の壁を無遠慮にこねくり回される。自分でも触ったことのない体の奥深くを機械に暴かれていくというこの状況。絶対おかしいはずなのに、薬のせいで気持ちいいとしか思えない。
「あ。奥まで突っ込まれた?トロ顔しちゃって。可愛いの」
頬を撫でられる感覚にも体が反応してしまう。
あれ。でも、わりと嫌じゃないぞ?むしろマシンの機械らしい冷たさよりも、彼の暖かい手の平の方が……いい、ような?
「俺だったらもっと奥までいじめてあげれるけど?」
「っ……!」
もっと、奥まで。
想像して、体が震えた。この冷たいマシンに暴かれるのもいいけど、本物はどれだけ気持ちいいんだろう。試してみたい。試したい。
気づくとマシンの拘束が解けていた。中に入ったマシンはそのまま動いているけれど。快感に跳ねる体を抑えながら、何かでぐちゃぐちゃになったズボンと下着を一気に脱いで足を広げてみせた。
「ここっ…挿れてっ…♡」
「人に頼むならそれ相応の頼み方があるよな?」
ああ、いつもならこんな言い方されたらムカつくのに。何か言い返したくなるのに。今はそれさえも気持ちいい。
「マシンもっ、いいけどっ♡あんたのっ、あんたのも一緒に突っ込んで♡」
「ははっ、一緒にか。やっぱド淫乱くんだったわけだ」
彼が軽く下着を下ろすと、今俺の中を好き勝手している触手マシンよりも絶対太い立派なモノが現れた。凹凸も一切ないマシンよりも、いろんなところを刺激してくカタチ。早く、俺の中に挿れてほしい。
「ほら。自分のこと認めてよ。マシンに犯されながら男に犯されたいド淫乱ですって」
「ひゃいっ♡おれは、マシンにっ、犯されながらぁっ♡んんっ♡男に犯されたい、ド淫乱ですぅっ♡」
「よくできました」
いつの間にか中の触手は動きを変え、今から入ってくるモノのために俺の中を少しでも広げようとするような動きに変わっていた。本当にこれは医療に必要な機能なのか。そんな疑問が浮かんだがすぐに消えた。
だって目の前で俺をもっと気持ちよくしてくれるモノが俺の中に入ってくるのを見てしまったんだから。
「~~~っ♡」
「うわっ、挿れただけなのに潮吹いたのかよ。本当、淫乱だな」
「淫乱でいいっ♡もっと♡奥までシてっ♡」
俺の言葉に応えるように動き出したソレに、俺は悦びの声を上げて体を震わせるのだった。

「はい。俺です。いや、凄かったですよ。新機能。こっち路線でも使えますよ。うちで一番の堅物が乱れに乱れてくれましたから」
簡単に報告をして電話を切る。俺の横にはあらゆる液体でぐちゃぐちゃになった真面目くんが眠っている。最後は自分で何言ってるかもわからなくなるくらいに乱れて…やば、思い出すだけで勃起しそう。
「これで本当にド淫乱くんになっちゃったわけだけど……」
サラサラの黒髪を撫でるとこちらに擦り寄ってくる。もちろん意識はない。無意識にあざといってどういうことだ勘弁してくれ。
こんなわけのわからない新機能のテスターにさせてしまうくらいにはお前の事が好きなのに。これ以上お前を好きにさせてどうするんだ。
「俺から離れられないようにしないとな」
向こうさんの話ではまだまだ試したい機能があるらしい。それでこいつが完全に堕ちきるか。まあ、答えは分かり切ったようなものだけど。
ひとまずは何事もなかったかのようにしてやらないとな。
俺は黒髪にキスを一つして立ち上がった。

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