ダメとわかっていても、愛しているから抱いてしまう

染谷恭輔の仕事は、主の相手をする小姓が、すんなりと男を受け入れることができるように調教することだった。これまで、どんな少年を調教しても心が乱れることはなかった。
操以外には。
操が小姓として屋敷にやってきたのは8歳の時だった。陶器のように白い肌と漆黒の瞳が印象的な美しい少年で、なぜか恭輔にはよく懐いた。目が合うとニッコリ笑ってくれて、その笑顔に癒された。その操を調教しなくてはならない。恭輔の胸に苦いものが込み上げる。
操は大人の事情にも鋭く、既に覚悟を決めているようだった。
「操。服を脱ぎなさい」
調教は、離れでおこなわれた。布団が敷いてある部屋の中、操が裸になる。細く、触れると壊れそうな身体だ。恭輔が乳首に触れれば、くすぐったそうに身をよじる。どうやらまだ快楽は感じていないらしい。その事に、恭輔は心のどこかでホッとしていた。感じなければ、操を差し出さずにすむ。恭輔が乳首を押し潰すようにすると、不意に声の質が変わった。
「操?」
操は慌てて恭輔から離れると、布団の上でうずくまった。
「もしかして、操」
「見、見ないでくださいっ」
股間を抑える操の両手を強引に離して組敷くと、操の性器は反応していた。恭輔が躊躇いなく指を絡める。
「あっ、はっ、あっ」
若い身体は、快楽に素直だった。恭輔は操の性器をつまむように愛撫しながら、小さな胸の粒を口に含んだ。とうとうこの日が来てしまった。恭輔の心は複雑だった。
「んっ、んんっ、あっ、んっ、はあっ、あっ」
恭輔が先端を指で引っ掻くように刺激をすれば、操の両足がブルブル震えながら白濁を噴き上げた。
「操っ」
愛しくてならなかった。手の中で震える操の性器をあやすように擦りながら、恭輔が深く口づける。そして、いつでも男を受け入れられるように、操の肛門を柔らかくほぐす。二本の指でゆっくりと押し広げる。
「ここで、旦那様を受け入れるんだ」
「はい。わかって、います」
操が、諦めたように頷く。
恭輔の胸を苦い風が吹き荒れた。主の醜い性器で犯され、よがる操を想像しただけで気が狂いそうだった。
恭輔は操をうつ伏せにすると、自分の性器を押し当てた。そのことに気がついた操が慌てて制止をする。
「駄目ですっ。こんなことが旦那様に知られたらっ。ああっ、んっ、駄目ですっ」
「構わないっ。操っ、操っ」
恭輔は操の腰を掴むと、グッと引き寄せる。そして、悲鳴をあげる操の口を後ろから塞いだ。主は未通の少年しか抱かない。恭輔が操を抱いたと知られたら、ただでは済まないだろう。だが、今の恭輔にはそんなことはどうでも良かった。
柔らかな操の中は、最初は反応しなかったが、次第に慣れてきて恭輔の性器にしっとりと絡み付いてくる。
「そうだ。操、もっと腰を揺らしてっ、そうだよ、よくできてる」
「恭輔さ、ん。あっ、気持ちいいっ、はぁっ、んっ、うっ、あっ、出ちゃうっ、出ちゃうよぉ」
操は背中を反らし、恭輔の逞しい熱棒を身体の奥で感じながら達した。
「操。可愛い俺の操」
恭輔は明け方まで操の身体を堪能した。
「染谷。操はまだ開花しないのか?」
「申し訳ございません。操は、まだ精通もいたしておりませんでした」
「そうか。引き続き調教を頼む」
主の言葉に、恭輔は下を向いて笑みを浮かべた。操を主に渡す気など恭輔にはない。今夜も操は離れで待っている。恭輔はその甘く淫らな身体を離せそうもなかった。
あの夜。操に囚われたのは恭輔の方だった。

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