エンベルトは、豪華な部屋に通されているというのに、ムスッとした顔をしていた。それもそのはず、彼の両腕は天井から吊るされた鎖に繋がれ、目の前では憎きライバルであるカルリトスがニヤニヤと笑いながら見ているのだ。こんな屈辱はないと思っていた。今夜、敗者となったエンベルトは、勝者となったカルリトスの慰み者になることが決まった。それは、カルリトスの望みだからだ。
「やっとこの日が来たな」
カルリトスがエンベルトを見つめる。黒く長い髪に切れ長の瞳。ふっくらとした唇はいろっぽく艶めいていた。カルリトスは、ことあるごとにエンベルトを口説いていたが、彼がなびくことはなかった。そのため、実力行使に出たのだ。剣闘士であるエンベルトを手に入れるため、カルリトスはこれまで断っていた大会に出場し、見事エンベルトを手に入れたのだ。
「やめろっ。俺に触るなっ」
カルリトスの指先がゆっくりと下半身に巻かれた布を取り除く。形がよく、理想通りの性器がそこにはあった。カルリトスの指がゆっくりと絡み付き、もどかしいほど静かに性器を撫でる。ゾクッと背中を駆け抜ける感触にエンベルトが目を閉じる。こんな男の手に感じるなんて、自分のプライドが許さなかった。指で先端を弄られながらも、エンベルトは唇を噛み締め、その刺激に耐えた。
だが、エンベルトは気づいていない。快楽に耐える自分の姿が、いかにカルリトスのオスの部分を刺激しているか。カルリトスは、クスクス笑いながら、エンベルトの乳首や腹を舌でなぞる。
「ふっ、んっ、んっ」
エンベルトは、敏感な乳首を舌で刺激される度に、噛み締めていた唇から甘い声を漏らし、カルリトスの手の中の性器は硬さを増していった。
「いつまで強がれるかな」
カルリトスは唇を下へとずらすと、鼻先で陰毛を掻き分けるようにして、付け根へと深く口づけた。途端に、ビクンッとエンベルトの身体が跳ね上がる。そして、カルリトスの指がアナルを広げ、牛の角で造られた玩具を差し込んでいく。
「うあっ、あっ、きついっ、やめっ」
「慣らしとかないと、辛いのはそっちだぞ」
カルリトスは強引にエンベルトに口づけをすると、舌を絡めながらペニスとアナルに刺激を与える。
「んっ、はあっ、んっ」
乱暴に出し入れされる感触に、エンベルトはのけぞり、そして次第に痛みが快楽に変わっていくのを感じた。その屈辱感から唇を噛み締める。
やがて、カルリトスは全裸になると、筋肉に覆われた肩にエンベルトの両足を乗せた。そして、立ったままの状態で太く固いペニスをググッと挿入してくる。
「あっ、んっ、苦しいっ、あっ、はっ、んっ、んっ」
「身体は素直だな。ほら、こんなに蜜が溢れてくる」
「言うなぁっ、あっ、嫌だぁっ、あっ、あっ」
この瞬間。カルリトスは勝者として甘い肉体を味わい、エンベルトは敗者として快楽に屈した。
部屋の中には、エンベルトの甘い悲鳴とカルリトスの高笑いが響いた。