王国軍のエッチなお仕置き

 石造の王国軍兵営は、夜になるとまるで監獄であるかのようだった。
 詰襟の軍服をはだけさせて、両手に枷をはめられて天井からぶら下がる鎖に繋がれた青年など、まさに囚人そのものであるかのようだった。
 彼の名はサイラス。この国に仕える若き高級士官であり、敵国の軍人でもなければ卑劣な裏切り者でもなかった。むしろ忠誠心と献身篤い立派な軍人である。
 そんな彼が黒い髪を振り乱しながら、ジャラジャラと鎖の音をたてて、悩ましげに身体をよじらせていた。
 見れば彼はその陰茎を服の外に晒していて、ただならぬ責苦を負わされていることが一目でわかった。ズボンも膝までずり下ろされて、股の間から大きな棒状のものをぶら下げている。その棒先はサイラスの菊座の奥に消えていて、大きな異物をねじ込まれていることに、菊口が苦しげにヒクヒクとわなないていた。

「まったく、いやらしい」

 冷たい声が室内に響き渡った。カンテラ一つの微かな光だけが灯りの中で、銀色の髪を輝かせる若い軍人が無慈悲に告げた。

「未来を期待されている王国軍の俊英が、お尻にオモチャを突き入れられるだけで興奮してしまうだなんて」

 これから先が思いやられると銀髪の男は冷たく嘆きの言葉をこぼす。サイラスと近い年頃に見える若い男だが、彼こそは軍の最高幹部の一人であるクライス将軍だ。まだ大軍を預かるような経験こそないものの、頭脳明晰で問題解決に長けていることから、王の側近として軍の改善や問題の解決に活躍するエリートだった。そしてサイラスの上司でもある。

「足がガクガクに震えているじゃないですか。それではいざ従軍したところで、剣を振るうどころではありません。慰安夫をするのがせいぜいでしょう。貴方は男の剣を握る為に軍を志願したのですか?」

 手厳しい言葉の羅列であったが、クライスに悪気は一切ない。彼はただ思ったことを口にしているだけである。その歯に衣を着せない態度と彼の若さから、年長の軍人たちは自分のことを侮辱されていると感じることも少なくない。要するに敵を作りやすい性格をしているのだ。
 サイラスはクライスの優れた能力と不器用な性格から、自分が彼の部下としてその仕事を助けられたら良いと考えていた。そして実際にクライス自身にも告げた。

『私を……助けたい……?』

 実際に告げられたクライスは、ポカンと面を食らった顔でサイラスに返した。管理部隊の不始末で軍の貴重な備蓄が台無しになった時でさえ、こんなにも困惑した表情は見せなかったのにだ。

『……その意気込みはともかく、能力はだいぶ不足しているようですが』

 クライスが目を落とした先にはサイラスが提出した書類が置かれていた。修正を指示する赤インクでびっしりと埋まったその紙を見ると、サイラス自身も赤面するしかなかった。
 こんな分不相応な事を言うのではなかったと、サイラスは逃げるようにクライスの執務室から逃げ出ようとした。しかし、そんな彼をクライスは止めた。

『国王からも、クライスは部下を育てる事を覚えるようにと申しつけられている。貴方に覚悟があるならば、私もまた貴方が立派な軍人になれるよう全力で面倒をみましょう』

 サイラスは王の配慮とクライスの言葉に感謝して思わず涙ぐんでしまいそうになった。しかしこんな事で泣いてはいけないとクライスに言われて慌てて引っ込めた。
 以来、クライスは何かと良くサイラスの面倒をみてきた。サイラスもクライスの事をよく支えて、クライスの女房などとからかわれるようになっていたのである。

「本当に、緩いですね」

 クライスが白い手袋を嵌めたまま、サイラスの菊座を犯している棒を握りしめて前後にゆっくりと挿出を繰り返した。

「くふっ……んぁ、はぁ、ああ……あっ!?」

 既に興奮で固くなっていた陰茎からドロリと先走りが垂れ落ちた。それがクライスの白い手袋の上に滴って汚れになる。

「こんなにも簡単にお漏らしをするだなんて。それとも、私のペニスよりオモチャの方が感じる変態なのですか?」
「そんな、ちが……こ、これは……ゃ……んん!」

 サイラスを言葉で責めながらもクライスの手は止まる事なく、菊座を凌辱される毎に陰茎はビクビクと喜びに震えて先走りを流していた。足はガクガクと震えて体重を支えることもできず、体重のかかった手枷の鎖がジャラジャラと音をたてる。

「まったく。夜が近づくと執務中でもペニスを濡らしてしまうのですから。それで軍人が務まるというのですか?」

 このお仕置き部屋へと連れてこられる前から、既にサイラスはクライスの手で受けた過去の責苦を思い返して先走りを流してしまっていたのだ。
 クライスに背中を向けて、自分の穴を使って欲しいと懇願することは、驚くほど気持ちの良い事だった。しかしそれ以上に凄かったのは、サイラスの分身が自分の菊座から体内を抉ってくる快楽だった。
 それを思い浮かべてしまうだけで、サイラスはいつでも自分のモノをしごいてしまいたくなる衝動に襲われた。しかしクライスが日中のオナニーを厳禁としていたことから、勤務の終わる夕方ごろには自然と先走りを流す体質になってしまったのだ。

「まったく。アナルを犯されるぐらいではお仕置きにならないじゃないですか」

 そう言うと、クライスはサイラスの先走りに汚れた手で勢いよくオモチャをピストンさせた。

「かはっ!? ク、クライス様!?」
「罰としてこの場でみっともなく射精していただきます。オモチャでイくだなんて恥を記憶に焼き付けるのです」
「そ、そんな!?」

 本来ならば自死を考えるべきはずべき振る舞いかもしれないが、すっかり快楽に支配されてしまったサイラスは、クライスの手でイってしまうことはもはや恥じでもなんでもなくなってしまったのである。

「やめてください、クライス様」
「ダメだサイラス。これは罰だからな。これから自分がどうなるのか、自分の口で言うんだ」

 サイラスの中に残された僅かな羞恥心が、その恥辱を拒んだ。しかし恥ずかしげに顔を赤らめたのも一瞬のことで、すぐ菊座から下半身をガクガクと揺らす快感に負けた彼は、大声で叫んだ。

「私はクライス様にオモチャでアナルを犯されてよがってるヘンタイです!アナルもオチンチンも気持ちよくて、もう、もう、いっちゃう!!」

 クライスがパッと手を離してサイラスから離れた次の瞬間、サイラスの陰茎から勢いよく精液がドクドクと溢れ出て、行き場もなく床めがけて飛んでいた。
 サイラスは全身をビクビクと震わせて、鎖をジャラジャラと鳴らすのだった。

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