機械が俺を犯すなんて

田辺隼人の元に、友人からあるアルバイトの話が舞い込んできた。それは、アダルトグッズのテスターというものだった。
「なんか、イヤラしくないか?」
と、思ったものの。時給1万円という好条件には惹かれるものがあった。それに、アダルトグッズに興味がないといえば嘘になる。隼人は、20歳になってすぐに彼女ができたものの、数ヵ月で別れてしまい、この半年は彼女なしの状態。正直、大人のオモチャでも買おうかと悩んでいた隼人にとっては、まさに一石二鳥のアルバイトといえた。
さっそく、アダルトグッズのメーカーへと向かい、面接へと向かう。
「君、ずいぶんガッチリしてるけど、スポーツかなにかしてたの?」
「はい。バスケをしてました」
隼人は、やや伸び始めた髪をくしゃっとかきあげると、恥ずかしそうに言った。だが、バスケ部には2年しかいなかった。
原因は、同じバスケ部にいた柳健夫だ。隼人のことを愛していると言って、抱いてくれと頼まれたのだ。健夫は、友人としては好きだったが、恋愛対象にはならなかった。
(男となんて、セックスできるかよ)
隼人だって、男同士のセックスがどういったものかは知ってる。健夫は、男から見ても美形だったが、セックスしたいなんて思えなかった。
そこに、白衣姿の青年が入ってくる。黒縁眼鏡をかけていて、長い髪を後ろで束ねた、スレンダーな男だった。
「彼がいいな。連れてきて」
「はい。社長」
その言葉に、彼が社長なのかと隼人はぼんやり思った。
(俺と同じぐらいだよな。なんか、嫉妬するな)
通されたのは、ベッドしかない不思議な部屋だった。裸になるように言われ、隼人は取り敢えず裸になり、命じられるままベッドに仰向けになった。
次の瞬間。ベッドの支柱と両手両足をそれぞれ手錠のようなもので固定された。
「な、何っ」
「まだ、気づかないんだ。隼人」
クスクス笑って、社長が身を乗り出す。その顔は、先程思い出していた健夫だった。
「なんで、お前がここに?社長って、まさかお前?」
「驚いたよ。君がここにくるなんて。夢みたいだ」
うっとりと囁いた健夫は、ヌッと妙な物体を手のひらに乗せて見せた。
「僕が開発した。イクだよ。ご挨拶は?」
『はじめまして。イクです』
男性性器のディルドは、ユラユラと動きながら喋った。健夫が得意そうに、人工知能が搭載されているのだと説明してくれた。挿入すると、相手の脈拍や呼吸に合わせて動くのだと。
「本当は女性用なんだけど、隼人に使ってみたくなったんだ。君に犯されたかったけど、犯すのも悪くないと思ってね」
健夫は優しく隼人の髪を撫でると、ゆっくりとイクを隼人のアナルへと押し込んだ。
「やめろっ。あつ、なんか、熱いっ」
押し広げて入ってくるイクは、隼人に痛みと熱さを与えた。
「イクは、男性の体温に近い温度まで上昇するんだ。ほら、だんだん気持ちよくなるよ」
隼人は、嘘だと叫びたかったが、急にイクがアナルの中で動きだし、ビクッと隼人の体が跳ねる。健夫は、隼人のペニスがフルフルと震えだす様子に、ニッコリと笑った。
「ほら。気持ちよくなってきた。嬉しいな。愛しい君の美しい姿を見れるなんて」
「嫌だっ。やめろっ」
隼人は、アナルの中で次第に早くなるイクの動きに、体をくねらせ逃げようとする。だが、手足の自由を奪われては、逃げることは許されない。ガチャガチャと鎖が音を立てるなか、隼人はギュッと目を閉じた。
(嫌だっ。機械に、こんな風にレイプされるなんて)
そう、まさに隼人は機械にレイプされているのだ。
「はっ」
突如、イクがピストン運動を始める。まるで、奥の奥までイクが入ってくるような感覚に、隼人は気持ち良さを感じた。
ペニスが勝手に大きくなり、先からは透明な蜜が零れだす。
健夫が、ねっとりと舌を絡めた。
静かな室内には、イクか立てるウィンウィンというモーター音と、健夫が立てるチュパチュパというペニスを吸う音。
そして、快楽に喘ぎ許してくれと懇願する隼人の鳴き声が響いた。
「もう、嫌だっ。やめてくれっ」
「忘れたの?これは仕事なんだよ。君は、僕のテスターなんだから」
健夫は、ポケットからリングを取りだした。ゴム製で伸びるリングは、難なく隼人のペニスにはまった。
そして、健夫はニッコリ笑うと、ゴムの手袋をはめた。
そして、隼人の目の前で、まるで空中を握るかのように動かす。
「はぁっ。あつ。何?なんだ、これっ」
「このリングは、この手袋と動きがリンクしてるんだ。遠隔操作用にと開発したやつなんだよ」
健夫が指を動かす度に、隼人はリングによってペニスを愛撫された。目を閉じると、まるで健夫に愛撫されているような錯覚になり、ドクンッと鼓動が高まる。
その変化を、イクは見逃さなかった。ピピッと音がすると同時に、高速ピストン運動を開始し、隼人は声も出せないまま、絶頂を迎えた。
(機械に、気持ちよくされるなんて)
屈辱的だった。アナルを機械におかされるなんて。
それで、快楽を得てしまうなんて。だが、身体は抗えず隼人はそのまま連続して射精した。
「そろそろかな」
健夫は自身もペニスを出すと、ゴム手袋をはめた手でオナニーを始めた。
もちろん、その動きは隼人のペニスにも伝わる。
「あぁぁぁぁぁっ」
隼人は、一際大きく声を上げると、そのままグッタリと眠りに落ちた。
「まだまだだよ。隼人」
健夫は、更にオナニーを続けた。意識がない隼人は、それでも反応し、ビクビクしながら精液を迸らせる。
そして、そのまま延々とイクと健夫によって犯され続けた。
「君は、永遠に僕のテスターだよ。これからも、君を気持ちよくさせるものをたくさん開発してあげる」
健夫は優しく囁きながら、意識を失っている隼人に口づけた。
「ずっと、愛しているよ。隼人」
健夫の欲望は、いまだ冷めることはなかった。

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